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No.1388

今、現代思想の特集=「加害者」を考える という号を読んでる。

寄稿が一つ一つ興味深いもののヘビーな内容なので一日一稿読めたら御の字かなというペース。
どこからいくかとパラパラした結果初めに読んだのはインベカヲリ★のページだったんだけど、写真家であるとか言葉での表現=語りにこだわりがある点から志賀理江子にも通ずるものがある人だなと個人的には思っている。

長くなったので畳む
この人は東海道新幹線の事件の犯人とのやり取りをルポとして上梓したんだけど、よく完全に挫けないで形に出来たなと思った。
彼女曰く、最初滅茶苦茶な動機に思えても本人の語りを聞いていけば最後は辻褄が合うのだという。いわゆる傾聴のことと思うが、支離滅裂な言動を繰り返し、他人へ不信感を抱いている人へそれを徹底して行える者は少ない。

他にも幾つか論稿を読んでいるけど、「家族幻想が人を病ませ、社会を病ますのだ」という結論がついているものが多い。(雑誌全体の思想によるところはあるかもしれない)
件の犯人は自ら望んで刑務所に入ったけど、そこでやっていること は半月近く絶食したり糞尿を撒き散らしたりすることだという。
インベカヲリ★はこの行為について「自分がここにいても追い出されないか、刑務官を相手に試し行為をしている」と考察している。彼女の洞察力の高さを感じるとともに、とても悲しくなった。
満たされない家族関係から強烈な愛着障害を持ってしまった犯人なんだろうと思った。

数年前に児童養護施設の職員の本を読んだことがあったけど、そこにも虐待やネグレクトにあった子供達から壮絶な試し行為を毎日受けるということが書いてあったのを思い出した。
だから愛情だけでは仕事は勤まらない、そういう人ほど離職して子供達から離れていくとも記してあった。「虐待児は虐待児という、そういう生態系の生き物なんだ」というような突き放した文体で書かれていたけど、不思議と冷血とは感じなかった。なぜなら「関わる」という行為、その手つきそのものが愛といえるだからだ。愛の定義についてそう言ったのはキュレーターの竹内万里子だったか。

話を戻すと、独学でここまで込み入った取材が出来るインベカヲリ★を尊敬するとともに、家族に全てを押し付けることは無理であり、互助機能がとっくの昔に破綻していることを国が認めてケアのための制度を敷くことを願う。もちろんそれは刑務官を親代わりに国が育て直しをするなんてことではなく。
私は「家族って単位を破壊すればいいじゃ〜ん!」とは今は100%思わないけれど、家族を維持するために暴力や病、人殺しさえもある状態は異常だと思っている。
(そこらへんについては1月に観た映画・どうすればよかったか?の時にも考えていた)

図書館に行って何となく興味が出たから借りた本だったけど、思いの外言えることが多い内容だったので文章にしてみた。


東海道の事件だけじゃなくて本当に見るのが恐ろしい事件が多い。特に子どもの関係するニュースは。そうするとネットは瞬間的に怒りの念で溢れかえる。
私もカッとなるものの、最近はルポライターの高橋ユキの言葉を思い出して心をなるべく早くフラットにするようにしてる。
彼女は傍聴マニアからルポライターとなって、世間にこういう問題があるんだと知って欲しくて記事を書いてると言っていたけど、ネットでは自分の記事がネット民の怒りの燃料になっていることが多く、瞬間的な消費じゃなくて事件の背景にある問題を考えてほしかった というようなことを以前SNSに投稿していたように思う。
筆者の意図を汲む…じゃないけど、考えたり調べたりできるならやり、それが現状できなそうならせめてニュースと心のあいだに余白が作れるように…とは意識してる。畳む

#読書備忘録

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